当クリニックが考える予防治療
歯医者は、口の中を治療するだけでなく「体を守る場所」
お口の中の状態が悪いことは、全身のさまざまな病気にも悪影響を及ぼします。
糖尿病・脳梗塞・胃腸障害・動脈硬化・アルツハイマー・低体重児出産などに繋がることが明らかになっているのです。
虫歯や歯周病になったらしっかり治療して改善することが大切であり、併せて、再発を防ぐための取り組みも重要です。治療は虫歯や歯周病という状態(結果)にアプローチすることですが、予防は虫歯や歯周病の原因に対してアプローチしていくことになります。
予防・メンテナンスによって口内が整っている状態を維持していくことが、全身の健康・長寿にとって不可欠といえます。
歯科を「体を守る場所」ととらえ、定期的に通って、ご自分のお口の状態を知ること・常に整えておくこと、そして、メンテナンスを継続していくことが非常に大切なのです。
歯を失わないために
歯を失ってしまう3大原因は
- 虫歯
- 歯周病
- 歯根破折
です。
しかし、多くの人が、
- 間違えたセルフケアをしている
- 勝手な自己判断をしている
- メンテナンスに行かない
といった理由から3大原因を増悪させ、歯を失ってしまうという状態を招いています。
歯を失わないために、
- 適切なセルフケアを続けること
- 適切な処置を受けること
- 定期的にメンテナンスを受けること
に取り組みましょう。
『dental clinic C たまプラーザ』は、患者さんと一緒になって、歯と健康管理をサポートします。
歯を失わない治療のポイント
早い段階で治療をスタート
歯の疾病·歯科での治療·歯が残る本数には、次の図のような関係性があります。
治療の必要がない健康な歯から始まり、歯を少し削って詰め物をする(インレー)、歯を多く削って被せ物をする(クラウン)、抜歯したあとに両側の歯を支えにして義歯を入れるブリッジ、最後は、入れ歯やインプラント入れる……というような流れです。
この流れが進んでしまう口内環境においては、比例して、「残る歯の本数」がどんどん少なくなっていくことがわかっています。
早い段階で治療を開始することが大切であり、何よりも「予防治療を励行して健康な歯を維持していく」ということが重要なのです。
「虫歯」で歯を失わないために
虫歯には、多くの場合、詰め物や被せ物などで補う「補綴」と呼ばれる治療を行います。虫歯の補綴物は治療の範囲や使う素材によっていくつもの種類がありますが、保険適用内では金属を使うケースが多くなります。一般的に「銀歯」と呼ばれます。
しかし、金属と歯の隙間に汚れが溜まりやすいというリスクがあるため、当クリニックでは虫歯の治療では極力「金属」を使用しません。
金属(銀歯)は目立つので、笑ったときに見えてしまったり、唾液によって金属イオンが溶けだしてしまったりというデメリットもあります。
審美性という意味では不十分で、治療後も再発や悪化のリスクも高いため、保険治療でもできる限り金属を使わないことが歯の欠損防止に繋がると考えています。
「歯周病」で歯を失わないために
歯周病は高血圧や糖尿病と同じように完治しない病気です。治療を行っても、歯周ポケットに常在菌と呼ばれる細菌は少量は残るものです。したがって、治療後も定期的なメンテナンスで細菌数をコントロールしていくことが大切です。
当クリニックでは、患者さんご自身が自宅で行う「セルフケア」のアドバイス(並走)と、歯科医院が行う「プロフェッショナルケア」に並行して取り組みます。
セルフケアにおいては、毎日·毎食後のブラッシングは行っていても、残念ながら清掃が行き届いていないという人が少なくありません。正しい歯ブラシや歯間ブラシなどの使い方をアドバイスし、効果が出るような正しいセルフケアをサポートします。
プロケアでは、主に歯科衛生士によるクリーニング(歯の清掃)がポイントとなるため、専用の機器や薬剤を駆使して行っていきます。正しく綿密なセルフケアができたとしても、歯ブラシではどうしても取り除けない汚れ·菌などがあるため、それらを徹底的に除去していきます。
これらのメンテナンスを継続することで、常在菌が増えないようにコントロールします。
「歯根破折」で歯を失わないために
歯(歯根)を残すことは重要ですが、そのためには、治療方法の選択がポイントになります。たとえば、何らかの原因で歯根が健全でない場合、ブリッジなど両側の歯を支えにするという治療法があります。
しかし、負担がかかり過ぎて、5〜10年ほど経過すると両側の歯も劣化し、抜歯に至るケースもあります。そのリスクがある場合は、健康な歯を守るためのほかの方法も選択肢に入れて検討します。
当クリニックの予防治療メニュー
『dental clinic C たまプラーザ』では、歯科医師・スタッフが一丸となって、患者さんお一人お一人にオーダーメイドの予防と治療を提案します。
治療とともに密にコミュニケーションをとり、予防に関する正しく新しい知識の共有もしながら関わってまいります。
患者さんに優しい『パウダーメンテナンス』
歯の汚れを落とすクリーニングの方法にはさまざまな種類があります。
その一つに「エアーフロー」という機器を使って効果的に汚れを取り除く方法があり、通常は重曹などを配合させてジェット噴射をすることで汚れを落としますが、重曹は粒子が固く、患者さんによっては施術中に痛みを感じる方もいます。
当クリニックではこのエアーフローの中に「グリシン」という成分を入れることが特徴です。
グリシンは食品添加物にも使用される体に優しい成分で、粒子が細かいため、痛みを感じづらく、短時間で着色が取れることがメリットとされています。
当クリニックでは、このグリシンパウダーによる「パウダーメンテナンス」をおすすめしています。
歯垢や歯石の除去(スケーリング)
専用の器具を使い、歯垢や歯石を取り除きます。
歯垢はブラッシングでも取り除けますが、歯垢が固くなった状態の歯石はブラッシングでは除去できないため、歯科医院でスケーリングが必要です。
歯の汚れやバイオフィルムの除去(PMTC)
バイオフィルムとは細菌が集まった薄い膜のことで、歯の表面に付着します。これも歯石と同じようにブラッシングでは取り除けないため、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)歯科医院で行われる、プロによる徹底した歯面清掃)によって、虫歯や歯周病を徹底的に予防します。
フッ素塗布
フッ素は、虫歯の原因となる細菌の働きを弱め、歯にカルシウムを吸収しやすくさせて歯の質を丈夫にする化学物質です。
定期的に歯科医院でフッ素を塗布することで予防の効果が高まります。
当院ではさらに予防効果向上を目的として、長時間歯面にフッ素が停滞するように、従来法に加えてバーニッシュという粘性のあるフッ素成分を取り扱っています。
セルフケアメニューの作成
それぞれの患者さんにあった歯ブラシや歯磨剤、うがい薬、タブレットなどを選択・処方します。
ポイントは「シンプルに」。
ブラッシングは毎日のことですから、患者さんの生活スタイルに沿った、無理のないメニューが継続できるコツです。