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歯が折れた時の危険性:放置することで起こる深刻なリスクと適切な治療法とは

歯が折れてしまった時、多くの人が「しばらく様子を見てから歯科医院に行こう」と考えてしまいがちです。

しかし、折れた歯を放置することは、想像以上に深刻なリスクを伴います。

歯科医師として多くの患者様を診てきた経験から、歯が折れた際の適切な治療の重要性と、放置することで生じる様々な問題について詳しく解説いたします。

 

  1. 歯が折れる原因と放置してはいけない理由

歯が折れる主な原因

歯が折れる原因は様々ですが、転倒や事故、硬いものを噛んだ時の外傷、虫歯の進行による歯質の脆弱化などが主な要因として挙げられます。

歯科診療において、これらの原因で歯が折れた患者様が治療を求めて来院されることは珍しくありません。

 

放置することで起こる感染リスク

折れた歯を放置することの最大のリスクは、細菌感染が進行することです。

歯が折れると、通常は保護されている歯の内部組織が外部環境に露出してしまいます。

この状態を放置すると、口腔内の細菌が歯の内部に侵入し、深刻な感染症を引き起こすリスクが高まります。

歯科医院での早期治療が必要な理由は、このような感染リスクを最小限に抑えるためです。

 

神経への影響と治療の複雑化

また、折れた歯を放置することで神経に損傷が及ぶリスクも考慮しなければなりません。

歯の神経は非常にデリケートな組織であり、外傷や感染により不可逆的な損傷を受ける可能性があります。

神経が死んでしまうと、後の治療がより複雑になり、場合によっては抜歯が必要になるケースもあります。

歯科専門医の立場から言えば、折れた歯の治療は時間との勝負です。

放置する時間が長くなればなるほど、治療の選択肢が限られ、結果的により侵襲的な治療が必要になるリスクが高まります。

痛みがないからといって放置することは、将来的により大きな痛みと複雑な治療を招く原因となります。

 

  1. 放置することで生じる具体的なリスクと症状

感染症の進行とその影響

歯が折れた状態を放置することで生じるリスクは多岐にわたります。

最も深刻なリスクの一つは、根尖性歯周炎という感染症の発症です。

この状態になると、歯科治療が非常に困難になり、長期間の治療が必要になります。

 

激しい痛みの発症

放置により神経が感染すると、激しい痛みを伴う急性炎症が起こることがあります。

この痛みは市販の鎮痛剤では効果が限定的で、緊急の歯科治療が必要になります。

夜間や休日に激しい痛みに襲われるケースも多く、患者様にとって非常に辛い経験となります。

 

周囲の歯への影響

さらに、放置することで周囲の健康な歯にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

感染が拡大すると、隣接する歯の神経にも影響を与え、複数の歯で治療が必要になる場合があります。

このような状況になると、治療費も時間も大幅に増加し、患者様の負担が重くなります。

 

歯槽骨への影響と抜歯リスク

歯科医院での診察において、放置されたケースでは歯槽骨の吸収が進行していることもよく見られます。

これは歯を支える骨が感染により溶けてしまう現象で、最終的には抜歯が避けられない状況に至るリスクが高まります。

被せ物での修復が可能な段階を過ぎてしまうと、治療選択肢が大幅に制限されます。

 

  1. 早期治療の重要性と治療方法

早期治療がもたらすメリット

歯が折れた際の早期治療は、歯を保存するために必要不可欠です。

歯科医院では、折れた歯の状態を詳しく診査し、最適な治療方法を選択します。

治療のタイミングが早ければ早いほど、神経を保存できる可能性が高くなり、より良い予後が期待できます。

 

軽度の破折に対する治療

軽度の破折の場合、歯科用接着材料による修復治療で対応できることがあります。

この治療方法は比較的簡単で、患者様への負担も少なく済みます。

しかし、放置により状態が悪化すると、このような簡単な治療では対応できなくなるリスクがあります。

 

中程度の破折に対する治療

中程度の破折で神経が露出している場合は、神経の保護処置や根管治療が必要になります。

この治療は複数回の通院が必要で、最終的には被せ物による修復が行われます。

早期に治療を開始すれば、神経を保存できる可能性が高く、より自然な歯の機能を維持できます。

 

重度の破折と複雑な治療

重度の破折や放置により感染が進行したケースでは、根管治療が複雑になり、治療期間も長期化します。

場合によっては、抜歯が必要になることもあります。

抜歯後は、インプラントやブリッジなどの補綴治療が必要になり、治療費も時間も大幅に増加します。

歯科医師として強調したいのは、どのような治療方法を選択する場合でも、早期の治療開始が最も重要だということです。

放置することで失われる時間は、治療の成功率や予後に大きく影響します。

 

  1. 応急処置と歯科医院受診までの注意点

折れた歯の破片の保管方法

歯が折れた際の応急処置は、その後の治療成功率に大きく影響します。

まず、折れた歯の破片がある場合は、清潔に保管することが重要です。

生理食塩水や牛乳に浸けて保管し、できるだけ早く歯科医院に持参してください。

 

痛みへの対処法

痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を適切に使用することで一時的な緩和が期待できます。

ただし、これは根本的な治療ではないため、痛みが軽減されても放置せず、必ず歯科医院での治療を受けることが必要です。

 

避けるべき行動

歯が折れた部分を舌で触ったり、硬いものを噛んだりすることは避けてください。

これらの行為は、さらなる破折や神経損傷のリスクを高める可能性があります。

また、極端に熱いものや冷たいものの摂取も控えることをお勧めします。

 

歯科医院への連絡とタイミング

歯科医院への連絡は、可能な限り早く行うことが大切です。

多くの歯科医院では、外傷による緊急ケースに対して優先的な対応を行っています。

症状や状況を詳しく説明し、適切な指示を受けてください。

放置することのリスクを理解し、適切な応急処置を行いながら、速やかに歯科医院での治療を受けることが、歯を保存するための最善の方法です。

 

  1. 予防と今後の管理について

歯の破折を防ぐための予防策

歯が折れることを完全に防ぐことは困難ですが、リスクを最小限に抑える方法はあります。

定期的な歯科検診により、虫歯や歯周病の早期発見・治療を行うことで、歯質の強化と保全が可能です。

 

マウスガードの活用

スポーツや危険な作業を行う際は、マウスガードの使用を検討してください。

歯科医院では、個人の歯型に合わせたカスタムメイドのマウスガードを作製できます。

これにより、外傷による歯の破折リスクを大幅に軽減できます。

 

日常生活での注意点

硬い食べ物を噛む際は注意が必要です。

氷や硬いお菓子、骨付き肉などを無理に噛むことは避け、適切な方法で摂取することが大切です。

また、歯を道具代わりに使用することも、破折のリスクを高める行為です。

 

治療後のメンテナンス

治療後の管理も重要です。

被せ物による修復を行った場合は、定期的なメンテナンスが必要になります。

歯科医院での定期検診を欠かさず、異常を感じた際は速やかに相談することが、長期的な歯の健康維持につながります。

 

生活習慣の見直し

歯が折れた経験がある方は、同様の事故を防ぐための生活習慣の見直しも必要です。

歯科医師や歯科衛生士からの指導を受け、個人に適した予防策を実践することで、将来的なリスクを最小限に抑えることができます。

歯の健康は全身の健康と密接に関連しています。

折れた歯を放置することなく、適切な治療を受けることで、長期的な口腔の健康を維持し、快適な生活を送ることが可能になります。

何か異常を感じた際は、迷わず歯科医院にご相談ください。

 

Dental clinic C たまプラーザ

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