【知っておきたい!】歯医者での子供の矯正治療の始め方とポイント
歯医者での子供の歯科矯正における早期治療の重要性とメリット
子供の歯並びやかみ合わせは、将来の口腔衛生だけでなく、全身の健康にも大きな影響を与えます。
子供の歯科矯正は、理想的な歯並びやかみ合わせを確立するために重要です。
矯正治療は、単に見た目をきれいな歯並びに整えるだけでなく、正しいかみ合わせを促進し、歯磨きのしやすさや咀嚼能力の向上を図る重要な治療です。
早期に矯正を開始することで、将来的な問題を予防し、生涯健康な口腔環境を維持することができます。
本ブログでは、子供の矯正治療の必要性、成長に伴う適切な時期、治療方法、装置の選び方、日常生活でのケア方法、治療後のフォローアップを詳しくご紹介します。
子供の矯正治療の必要性
子供の歯並びやかみ合わせの問題は、成長過程で顕在化します。
歯並びやかみ合わせの問題を放置すると、以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。
かみ合わせの改善
不正咬合は、食事や発音に支障をきたすだけでなく、顎関節症や頭痛、肩こりの原因となることもあります。
理想的なかみ合わせは、消化器官への負担を軽減し、効率的な咀嚼を可能にします。
また、顎関節症の予防や改善にも役立ちます
歯の磨き残し
歯並びが悪いと、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
早期の矯正治療により、適切な歯磨きができる環境を整えることができます。
見た目のコンプレックス
歯並びが悪いと、お子様の自信に影響を与えることがあります。
美しいきれいな歯並びは、お子様の自信を高める要因となります。
笑顔に自信を持つことは、社交性や自己表現力にも良い影響を与えます。
矯正治療の適切な開始時期
初診のタイミング
一般的には、年齢7歳~8歳頃を目安に矯正歯科の専門医による初診の診療を受けることが推奨されます。
この時期は、永久歯への生え変わりが開始する時期で乳歯と永久歯が混在する時期であり、早期に問題を発見し、矯正治療計画を立てることができます。
骨の成長が活発な時期であり、お子様自身の成長期の時期を利用した早期治療により、あごの発育をコントロールしながら治療を進めることができます。
この時期を利用して早期的な矯正治療を行うことで、効果的かつ効率的な治療が可能です。
永久歯の生え変わり時期
年齢8歳〜10歳頃は、前歯や第一大臼歯(6歳臼歯)が生え揃う時期です。
この時期に不正咬合が確認されたケースは、早期治療が有効です。
顎の成長が活発な時期
年齢10歳〜12歳頃は、顎の成長が著しい時期であり、成長を利用して治療を行うことで効果的な結果が期待できます。
特に骨格性の不正咬合に対しては、この時期に矯正治療を行うことが重要です。
成長がほぼ完了する時期
年齢14歳以降は、顎の成長がほぼ完了します。
この時期には、歯列矯正を主に行い、歯を最適な位置に調整することが目的の治療が行われます。
問題の早期発見
早期に問題を発見し、お子様自身の成長に合わせた適切な時期に適切な早期治療を行うことで、将来的に複雑な治療を避けることができます。
簡便な治療方法の選択肢
早期治療により、簡便な治療方法で歯並びやかみ合わせの問題を解決できるケースもあります。
親御様が注意すべきサイン
歯のずれや重なり
前歯や奥歯が重なって生えている状況は、早期の矯正が必要なサインです。
かみ合わせの異常
開咬(前歯が噛み合わない)、過蓋咬合(上の前歯が下の前歯を過剰に覆う)などに注意します。
口呼吸やいびき
鼻呼吸がうまくできず、口呼吸になっている場合、顎の発育に影響する可能性があります。
子供の矯正治療方法
子供の矯正治療には、いくつかの治療方法があります。
代表的な治療方法を以下に紹介します。
固定式矯正装置(ブレース)
歯に直接装着する装置で、歯を徐々に正常な位置に移動させ、効果的に歯を動かすことができます。
基本的には、最も一般的な矯正装置メタルブラケットや透明なブラケットで見た目を気にするお子様に適しているクリアブラケットが使用されます。
特に、重度の不正咬合や歯列不正に対して有効です。
取り外し可能な装置
アライナー(例:インビザライン)は、透明なプラスチック製の矯正装置で、取り外しが可能です。
口腔衛生を保ちやすいのが特徴です。
軽度から中等度の不正咬合に適用しています。
見た目を気にすることなく矯正を行うことができます。
拡大装置
上顎や下顎の幅を広げるための装置で、あごの発育を促進することができます。
特に成長期のお子様で上顎が狭く、歯が重なって生えている場合に効果的です。
矯正治療の流れ
初診とカウンセリング
まず、矯正歯科の経験のある専門医による初診とカウンセリングです。
初診でお子様の歯並びやかみ合わせを確認し、必要な検査を行います。
ここで行われる診療内容は、お口の中のチェック、レントゲン撮影、歯型の採取、口腔内写真の撮影などで、歯並びやかみ合わせの問題が詳しく診察されます。
治療開始の必要性や方針について、保護者様と十分に話し合います。
治療計画の作成と説明
歯医者の歯科医師は、検査結果に基づいて治療の必要性と具体的な治療計画を立て、提案します。
治療の期間、使用する装置、治療費用の見積もりなど、歯科医師から保護者様・お子様にご納得いただくための説明がされます。
治療開始
装置の装着:
初診から数週間後に、選ばれた矯正装置が装着されます。
装置の種類により、取り付け方や使用方法が異なります。
治療期間中の調整:
矯正治療期間中は定期的に歯科医院へ通院し、装置の調整や経過観察が行われます。
基本的に4〜8週間ごとに調整が行われ、歯の移動が確認されます。
矯正治療が計画通り進んでいるかをチェックし、必要性に対応し調整します。
治療終了と保定装置の使用
装置の取り外し:
目標とする歯並びやかみ合わせが達成されると、矯正装置が取り外されます。
保定装置の装着:
治療終了後は、歯の位置を安定させるために保定装置(リテーナー)が使用されます。
リテーナーは、歯が元の位置に戻らないようにするための重要な装置です。
装置の選び方
装置の選択は、患者さま一人ひとりのニーズや状態に合わせてカスタマイズされます。
矯正歯科の豊富な知識や技術を持った専門医による、適切な診断と計画の提案の下で、最も効果的な治療法を選ぶことが大切です。
治療の目的とニーズ
矯正の必要性や治療の目的に対応し、最適な装置を選択します。
例えば、目立ちにくい治療を希望するケースでは、クリアアライナーやクリアブラケットが適しています。
治療費用の負担
矯正装置の種類によって費用が異なります。
メタルブラケットが比較的安価な費用である一方、セラミックブラケットやインビザラインは費用が高いことがあります。
患者さまのライフスタイル
取り外し可能な装置は、食事やお口の中のケアがしやすいメリットがありますが、装着時間を守る必要性があります。
一方、固定式ブレースのタイプは常に装着されているため、患者さまご本人の協力が不要であることがメリットです。
治療期間
装置の種類によって治療期間が異なることがあります。
例えば、インビザラインは基本的に、固定式ブレースのタイプよりも長い治療期間が必要です。
食生活の注意点
硬い食べ物の回避
ナッツ、氷、硬いキャンディ、ポップコーンのような硬い食べ物は、ブレースやワイヤーを損傷する可能性があります。
粘着性のある食べ物の回避
キャラメルやガム、タフィーなどの粘着性のある食べ物は、ブラケットに引っかかったり、ワイヤーを引っ張ったりして装置にダメージを与えることがあります。
小さく切ることの推奨
りんごやにんじんのような硬い食べ物は、装置に負担をかけないように小さく切って食べると良いでしょう。
砂糖の摂取量の制限
糖分が多い飲み物やお菓子は虫歯のリスクを高めます。
特に通院中はブラケットの周りにプラークが溜まりやすくなるため、摂取量を制限し、適切なケアを行うことが重要です。
定期的な歯科検診
矯正治療後は、定期的に歯医者へ来院し、歯科クリーニングの診療を受けることが重要です。
歯科医師は、ブラケットやワイヤーの周りのプラークや歯石を除去し、お口の中全体の健康を保つことを助けてくれます。
定期的な検診の頻度
一般的には、最初の1年間は3〜6ヶ月ごとに経過観察のため歯医者へ来院し、検診を受診することが推奨されます。
その後は、1年ごとに経過観察のため検診を受けることが一般的です。
検診の目的
歯の位置やかみ合わせの安定性を確認し、必要性に応じて調整や追加の治療の対応を行います。
保定装置の適切な使用と機能をチェックし、装置の修理や交換が必要かどうかを判断します。
日常のケア方法
矯正治療後も、歯磨きやフロスを怠らないようにし、お口の中の健康を保ちます。
虫歯や歯周病のリスクを避ける予防が重要です。
歯磨きの重要性
矯正装置が付いていると、食べ物の残りかすやプラークが溜まりやすくなるため、丁寧な歯磨きが不可欠です。
特殊な矯正用歯ブラシや電動歯ブラシを使用すると、ブラケットやワイヤーの周りをしっかりと清掃できます。
適切なフロスの方法
矯正治療中と同様に、ブラケットや保定装置の周りも含めて、丁寧に歯磨きを行います。
歯と歯の隙間やリテーナーの周りもフロスで清掃します。
矯正中は、一般的なフロスの使用が難しいため、フロススレッダーやウォーターフロッサーの使用が推奨されます。
これにより、ワイヤーの下や歯の隙間のプラークを効果的に除去できます。
マウスウォッシュの使用
フッ化物入りのマウスウォッシュを使用することで、歯を強化し、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。
注意すべき症状
歯や歯茎の痛み
ブレースの調整後や新しいワイヤーの装着直後に、歯や歯茎に痛みや不快な症状を感じることがあります。
これは治療後の変化や、リテーナーの調整によるものかもしれません。
この場合、オーバー・ザ・カウンターの鎮痛剤(例: アセトアミノフェン)が効果的です。
冷却ジェルやアイスパックを使用して、痛みを和らげることもできます。
症状が継続し心配な場合は、歯科医師に相談し、案内を受けましょう。
歯の位置の変化
歯がわずかに動いたり、リテーナーが合わなくなったりすることがあります。
この場合も、無理をせず早めに電話などで予約受付の連絡をして担当の歯科医師に確認してもらう必要があります。
リテーナーの破損や変形
リテーナーが壊れたり、変形した場合は、速やかに電話などで予約受付の連絡をして担当の歯科医師に修理や交換を依頼します。
ワイヤーの突き出し
ワイヤーが歯肉や頬に当たることが原因で痛みを引き起こすケースでは、矯正用のワックスをワイヤーの端に塗って保護することができます。
ワイヤーが非常に違和感があり、心配な場合は、無理をせず事前に電話などで予約受付の連絡をして担当の歯科医師に調整を依頼することがスムーズです。
ブラケットの破損や脱落
ブラケットが外れた場合やワイヤーが外れた場合は、速やかに電話などで予約受付の連絡を行い、担当の歯科医師に診療や修理を受ける必要があります。
応急処置として、外れた部分を矯正用ワックスで固定することもできます。
口内炎の予防と対処
ブラケットやワイヤーが口内に刺激を与え、口内炎を引き起こす可能性があります。
この場合、塩水でうがいをするか、口内炎用の薬を使用することで症状を緩和できます。
矯正治療後のフォローアップ
矯正治療が終了と判断された後も、歯並びを維持し、治療成果を長期間にわたって保つために、フォローアップが重要です。
以下は、矯正治療後のフォローアップに関係する詳細です。
保定装置の使用
矯正治療後、歯が移動した位置を安定させるために保定装置(リテーナー)が使用されます。
保定装置は、歯が元の位置に戻るのを防ぎ、治療の成果を持続させる役割を果たします。
保定装置の種類
取り外し可能なリテーナー:
プラスチック製や金属製で、食事や歯磨きの際に取り外すことができるメリットがあります。
ただし、就寝時や指定された時間に装着する必要があります。
固定式リテーナー:
歯の裏側に薄いワイヤーを固定するタイプで、常に装着されています。
取り外しができないため、手間が少ないことがメリットで、治療後の歯の移動を防ぎます。
リテーナーの使用方法
指示された通りの時間に装着し、使用を怠らないようにします。
使用中は、装置が壊れたり変形したりしないように注意します。
長期的な指導
生活習慣の維持
矯正治療後も同様に、健康的な生活習慣を維持することで、お口の健康を保ち、治療成果を長期間にわたって維持できます。
定期的な運動、バランスの取れた食事、適切なストレス管理が重要です。
将来的な治療の可能性
矯正治療後も、歯並びやかみ合わせに変化が生じることがあります。
今後、将来的に追加の治療が必要になる場合もあるため、定期的なチェックを行うことが安心です。
お子様の歯並びを整えるために
子供の歯科矯正は、健やかな口腔環境を保つために非常に重要です。
早期に矯正治療を開始することで、多くの問題を未然に防ぎ、お子様の自信と健康を支えることができます。
また、矯正治療中や矯正治療後は日常生活でのケアや食生活に注意が必要です。
適切なケアを行うことで、治療効果を最大化し、装置のトラブルを防ぐことができます。
お子様の矯正治療を検討されている保護者様や、お子様の歯並びやかみ合わせに不安や悩みを感じている保護者様は、放置せずまずは歯科矯正の専門医へ気軽に相談してみましょう。