授乳中でも歯医者の麻酔は大丈夫?母乳への影響と治療時の注意点を詳しく解説
授乳中のお母さんにとって、歯の痛みや歯科治療が必要になったとき「麻酔をしても赤ちゃんに影響はない?」「母乳を与えても大丈夫?」と不安になるのは当然のことです。
この記事では、授乳中の歯科治療における麻酔の安全性、母乳への影響、治療を受ける際の注意点について、歯科医療の現場目線で詳しく解説します。
歯科医院での実際の対応方法や、授乳のタイミング、赤ちゃんへの配慮まで網羅的にお伝えしますので、安心して治療を受けていただけるはずです。
授乳中の歯科麻酔は基本的に安全です

結論から申し上げると、授乳中でも歯科治療で使用される局所麻酔は、一般的に母乳や赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。
歯科で使われる麻酔薬は、ごく微量で局所的に作用するため、母乳中に移行する量は極めて少なく、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性は非常に低いのです。
ただし、授乳中であることを事前に歯科医院のスタッフや歯科医師に必ず伝えることが重要です。
歯科で使用される麻酔薬の種類と特徴
歯科治療では主にリドカイン(キシロカイン)やプロピトカインといった局所麻酔薬が使用されます。
これらの麻酔薬は、注射した部位の神経を一時的に麻痺させて痛みを感じなくするもので、体内での代謝が早く、血液中に入る量も限られています。
授乳中の患者さんに対しては、より安全性の高い麻酔薬を選択したり、必要最小限の量で治療を行うなど、歯科医師が配慮して処方します。
治療時間も通常30分から1時間程度で完了することが多く、麻酔の効果は数時間で消失します。
母乳中への麻酔薬の移行について
歯科麻酔薬が母乳中に移行する量は、投与量のわずか1%未満とされています。
さらに、赤ちゃんが実際に摂取する量はそのまた一部となるため、臨床的に問題となるレベルではありません。
日本小児歯科学会や日本産婦人科医会でも、授乳中の歯科麻酔使用は問題ないとの見解を示しています。
多くの歯科医院では、授乳中のお母さんが安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明と適切な対応を心がけています。
授乳中であることを伝えるタイミング
歯科医院を予約する際、または問診票を記入する際に、必ず授乳中であることを申告してください。
治療当日になって伝えるのではなく、予約時点で「現在授乳中です」と伝えておくことで、歯科医師も事前に治療計画を立てやすくなります。
また、赤ちゃんの月齢や授乳の頻度、完全母乳なのか混合なのかといった情報も伝えると、より適切なアドバイスを受けられます。
歯科医院側も患者さんの状況を把握することで、安心・安全な治療を提供できるのです。
授乳中に受けられる歯科治療の種類と費用

授乳中だからといって、歯科治療を制限する必要はほとんどありません。
虫歯治療、歯周病治療、抜歯、根管治療(神経の治療)など、通常の歯科治療は授乳中でも問題なく受けられます。
保険診療の適用範囲も通常と変わらず、費用面でも特別な負担が増えることはありません。
保険適用の治療と料金の目安
虫歯の治療は、初診料や検査費用を含めて1回あたり1,500円~3,000円程度(3割負担の場合)が一般的な相場です。
レントゲン撮影が必要な場合は、追加で500円~1,000円程度かかりますが、授乳中でもレントゲン撮影自体は問題ありません(お腹の赤ちゃんへの影響がないため)。
歯周病の検査や歯石除去といったクリーニングは、1回2,000円~4,000円程度です。
抜歯が必要な場合でも、局所麻酔下で行う通常の抜歯であれば、授乳中でも安全に実施できます。
抜歯の費用は歯の種類や難易度によって異なりますが、保険適用で1,000円~5,000円程度が目安となります。
痛み止めや抗生物質の処方について
治療後の痛みに対しては、授乳中でも安全に使用できる鎮痛剤が処方されます。
アセトアミノフェン(カロナールなど)は授乳中でも使用可能な代表的な痛み止めで、多くの歯科医院で第一選択薬として処方されます。
抗生物質についても、授乳中に使用できる安全性の高い種類(ペニシリン系やセフェム系など)が選択されます。
薬剤の費用は処方日数にもよりますが、3日分で数百円程度が一般的です。
授乳中であることを伝えれば、歯科医師が適切な薬を選んでくれるので安心してください。
治療の通院回数と時間配分
虫歯の治療であれば、軽度なら1~2回、中程度で2~3回、重度(神経の治療が必要)の場合は4~6回程度の通院が必要です。
1回あたりの治療時間は30分~1時間程度が標準的で、授乳中のお母さんには負担の少ない時間帯や間隔での予約調整も可能です。
赤ちゃんを預けられる時間が限られている場合は、事前に歯科医院に相談すれば、効率的な治療計画を立ててもらえます。
また、急な痛みで緊急受診が必要な場合でも、授乳中であることを伝えれば応急処置と今後の治療方針について丁寧に説明してもらえるでしょう。
治療後の授乳タイミングと赤ちゃんへの配慮

歯科治療で麻酔を使用した後、「いつから授乳してもいいの?」という質問は非常に多く寄せられます。
基本的には、治療直後から授乳しても問題ありませんが、より安心したい場合は治療後3~4時間程度あけることを推奨する歯科医師もいます。
ただし、これは医学的に必須というわけではなく、お母さんの心理的な安心感を重視した目安です。
治療前の授乳で赤ちゃんを満足させる工夫
歯科治療の予約時間の直前に授乳を済ませておくことで、治療中と治療後の時間を確保しやすくなります。
赤ちゃんが満腹で落ち着いている状態であれば、お母さんも治療に集中でき、歯科医師も丁寧な処置ができます。
治療時間が長引きそうな場合は、搾乳した母乳を持参し、家族に預けて授乳してもらう方法も有効です。
歯科医院によっては、赤ちゃん連れでの来院に対応してくれるところもありますので、事前に確認してみましょう。
麻酔後の口腔内の状態と授乳の関係
局所麻酔を使用した後は、数時間ほど口の中や唇、舌の感覚が鈍くなります。
この間は、誤って頬や唇を噛んでしまう可能性があるため、食事には注意が必要ですが、授乳自体には支障ありません。
赤ちゃんが母乳を飲む際の吸引力によって、治療した部位に違和感を感じることがあるかもしれませんが、これは麻酔の影響であって母乳の質とは無関係です。
麻酔の効果が切れれば、通常通りの授乳が可能になります。
赤ちゃんの反応を観察するポイント
万が一、授乳後に赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じた場合は、念のため小児科医に相談しましょう。
ただし、歯科麻酔が原因で赤ちゃんに異常が出たという報告は、これまでほとんどありません。
授乳中のお母さんが感じる不安は、多くの場合、治療や麻酔そのものよりも、慣れない環境や疲労によるものです。
治療後はしっかり休息を取り、水分補給を心がけることで、母乳の分泌も安定し、赤ちゃんも落ち着いて過ごせます。
授乳中に歯科治療を受ける際の準備と注意点

授乳中のお母さんが歯科治療を受ける際には、いくつかの準備をしておくとスムーズです。
歯科医院側も患者さんの状況を理解することで、より適切なサポートができますので、遠慮なく相談してください。
問診票での申告事項
初診時の問診票には、現在授乳中であること、赤ちゃんの月齢、授乳の回数や時間帯を記入しましょう。
また、過去にアレルギーや麻酔での副作用があった場合も必ず記載してください。
妊娠・出産時に何らかのトラブルがあった場合や、現在服用している薬がある場合も、歯科治療に影響する可能性があるため正確に伝えることが大切です。
これらの情報をもとに、歯科医師は最適な治療方法と麻酔の種類を選択します。
赤ちゃんの預け先の確保
治療に集中するためには、赤ちゃんを信頼できる家族や友人に預けることをおすすめします。
どうしても預け先がない場合は、赤ちゃん同伴での受診が可能かどうか、事前に歯科医院に問い合わせてみてください。
最近では、キッズスペースを備えた歯科医院や、スタッフが赤ちゃんを見守ってくれる医院も増えています。
治療時間が短時間で済む処置であれば、ベビーカーごと診療室に入れる医院もありますので、遠慮せず相談しましょう。
治療後の過ごし方
歯科治療後は、できるだけゆっくり休むことが大切です。
特に抜歯や外科的な処置を受けた場合は、治療当日は無理をせず、赤ちゃんのお世話も家族にサポートしてもらうとよいでしょう。
治療後の痛みがある場合は、処方された痛み止めを適切に服用し、授乳のタイミングも無理のない範囲で調整してください。
水分をしっかり摂ることで、母乳の分泌も維持され、体の回復も早まります。
授乳中の歯科治療に関するよくある質問(FAQ)

授乳中の歯科治療については、多くのお母さんが同じような疑問や不安を抱えています。
ここでは、歯科医院でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1: 授乳中でも親知らずの抜歯はできますか?
はい、授乳中でも親知らずの抜歯は可能です。
局所麻酔を使用した通常の抜歯であれば、母乳や赤ちゃんへの影響はほとんどありません。
ただし、抜歯後は痛みや腫れが生じる可能性があるため、赤ちゃんのお世話をサポートしてくれる人がいるタイミングで治療を受けることをおすすめします。
また、処方される痛み止めや抗生物質も、授乳中に安全な薬が選択されますので安心してください。
抜歯の費用は保険適用で3,000円~5,000円程度が目安です。
Q2: 麻酔を使わない治療方法はありますか?
虫歯が初期段階で、削る量が少ない場合は、麻酔なしで治療できることもあります。
しかし、痛みを伴う治療を無理に麻酔なしで行うと、患者さんの負担が大きくなり、かえってストレスとなります。
授乳中でも安全に使用できる麻酔薬がありますので、痛みのある治療では適切に麻酔を使用することをおすすめします。
不安がある場合は、歯科医師に麻酔の種類や量について詳しく説明してもらいましょう。
Q3: 治療後、何時間授乳を控えるべきですか?
医学的には、治療直後から授乳しても問題ないとされています。
ただし、より安心したい方は、治療後3~4時間程度あけることを目安にするとよいでしょう。
この時間は、麻酔薬の大部分が体内で代謝される時間として、心理的な安心感のために推奨されているものです。
赤ちゃんが泣いて授乳を求めている場合は、無理に我慢させる必要はありませんので、状況に応じて判断してください。
Q4: レントゲン撮影は授乳中でも大丈夫ですか?
はい、歯科のレントゲン撮影は授乳中でも全く問題ありません。
歯科レントゲンの放射線量は非常に微量で、局所的に照射されるため、母乳に影響することはありません。
妊娠中と混同されることがありますが、授乳中は妊娠中のような制限はなく、必要な検査は通常通り受けられます。
レントゲンの費用は保険適用で500円~1,000円程度です。
Q5: 授乳中に歯が痛くなった場合、市販の痛み止めは使えますか?
授乳中でも使用できる市販の痛み止めとしては、アセトアミノフェン(タイレノールAなど)が推奨されます。
ただし、市販薬を使用する前に、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
歯の痛みは虫歯や歯周病のサインである可能性が高いため、痛み止めで一時的に症状を抑えるだけでなく、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
痛みを放置すると、治療が複雑になり、通院回数や費用も増える可能性があります。
まとめ:授乳中でも安心して歯科治療を受けましょう

授乳中のお母さんが歯科治療を受ける際、麻酔の使用は基本的に安全であり、母乳や赤ちゃんへの影響を心配する必要はほとんどありません。
歯科医院では、授乳中であることを事前に伝えることで、より安全性の高い麻酔薬の選択や、適切な治療計画を立ててもらえます。
治療後の授乳タイミングについても、医学的には直後から問題ありませんが、不安な場合は3~4時間程度あけることで心理的な安心感が得られます。
歯の痛みや違和感を我慢せず、早めに歯科医院を受診することが、お母さん自身の健康だけでなく、赤ちゃんのためにも大切です。
虫歯治療、歯周病治療、抜歯など、通常の歯科治療は授乳中でも保険適用で受けられますし、処方される薬も授乳に配慮したものが選ばれます。
治療費用も通常の保険診療と変わらず、初診から数回の治療で数千円程度が一般的な相場です。
赤ちゃんの預け先の確保や、治療時間の調整など、事前準備をしっかり行うことで、授乳中でもスムーズに歯科治療を受けられます。
多くの歯科医院では、授乳中のお母さんが安心して通院できるよう、柔軟な対応を心がけていますので、遠慮なく相談してみてください。
お母さんの健康な歯は、赤ちゃんとの楽しい食事の時間や、笑顔あふれる毎日につながります。
授乳期間は一時的なものですが、歯の健康は一生ものです。
痛みや不安を抱えたまま過ごすのではなく、適切なタイミングで歯科治療を受け、安心して子育てに専念できる環境を整えましょう。








