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【あなたは大丈夫?】歯医者での親知らず抜歯に関する知識と注意点

歯医者で親知らずを抜歯することについて

放っておくと虫歯や歯周病を引き起こすリスクのある親知らず。

歯医者での親知らず(第三大臼歯)の抜歯は、多くの患者様が経験する歯科治療のひとつです。

親知らずの抜歯に関する情報を理解し、正しい知識を持つことは、安全な治療と身体への負担軽減、スムーズな回復のために重要です。

今回は、歯医者での親知らず抜歯について詳しく解説します。

 

 

親知らずは何歳くらいで生えてくるのか

親知らずは永久歯の中で最後に発育します。

永久歯は通常15歳前後で生え揃いますが、親知らずは生える時期が概ね10代後半から20代前半であり、親に知られることなく生えてくる歯であることがその名前の由来だとも言われています。

 

 

親知らずが生えてきたらすぐに抜歯しないといけない?

親知らずがあっても痛みや腫れがなければ、必ずしもすぐに親知らずを抜歯する必要はありません。

親知らずが生えてきた場合、まずは歯科医院に抜歯の必要性や状態を診療してもらいましょう。

もし診療の結果、親知らずが原因で痛みや腫れがあったり、別の歯を押しのけて歯並びにまで影響を与えたりしている、他の歯への負担がかかってしまっている場合は、親知らずの抜歯が検討されます。

親知らずの抜歯が必要だと歯科医師の診療により判断しても、診療予約当日に抜歯するかどうかは症状次第です。

レントゲン撮影で上顎洞炎ではない、下顎の抜歯部分に神経が通っていない、難抜歯の程度などが確認され、難易度の高い手術の場合は大学病院への転院が必要となるケースがあります。

加えて親知らずの抜歯の準備として、歯茎を整えることも大切です。

歯茎が炎症を起こして腫れたままだと感染しやすくなったり、止血しづらかったりという身体への負担があるからです。

歯石除去や歯のクリーニングも親知らずに伴う治療として挙げられます。

歯石除去や歯のクリーニングに時間がかかる場合、診療予約当日に親知らずの抜歯は行えません。

もちろん、抜歯は患者様の身体にも負担をかけるため、予約当日の体調チェックも重要です。

 

 

親知らずを抜歯すべき最適な時期は?

親知らずによる強い痛みを感じている患者様が、「早く痛みから解放されたい」という思いから抜歯の覚悟を決めて来院予約されることがあります

しかし実は、その状態ですぐに親知らずの抜歯を行うことはできません。

親知らずに限らず、炎症が激しい状態では麻酔が効きづらいのです。

まずはその炎症を和らげるために親知らずの周辺をきれいに清掃し、お薬を飲んでいただきます。

症状が落ち着いた時点で、しっかりと麻酔をして親知らずの抜歯を行っていきましょう。

 

 

親知らず抜歯の理由

親知らずは、他の歯と比べて顎の中で最も最後に生えてくる歯です。

そのため、十分なスペースがない場合や歯の成長方向が歪んでいる場合などに問題が生じることがあります。

主な理由は以下の通りです。

 

顎のスペース不足

親知らずは通常、他の歯よりも遅く生えてくるため、顎にスペースが不足していることがあります。

このスペース不足が他の歯に負担をかけ、他の歯の位置に影響を及ぼすことがあります。

 

歪みや不正な成長

親知らずが斜めに成長したり、他の歯に対して不正な圧力をかけるケースがあります。

これにより歯並びの乱れや痛みが引き起こされることがあります。

また、親知らずが正常に生えきらない時は虫歯や歯周病の原因にもなります。

 

歯茎に埋まる(埋伏)

親知らずが歯茎の中に完全に埋まってしまうことがあり、これが炎症や腫れを引き起こす可能性があります。

 

親知らずの不正咬合で口の中を傷つけている

親知らずは上手く噛み合わないとそのまま成長していくため、頬の粘膜や歯茎を傷つけてしまい、痛みや腫れが引き起こされるケースや顎関節症を引き起こしてしまうケースもあります。

 

親知らずが虫歯・歯周病にかかっている

正常に生えていたとしても虫歯・歯周病になってしまった親知らずは抜歯することをおすすめしています。

また、親知らずに関係する虫歯治療は、すぐ前の7番目の虫歯治療になります。

横から生えている親知らずと7番目の歯の間の虫歯治療となると、難易度の高い治療となることが多いです。

親知らずが歯周病になるのではなく、親知らずが生えることにより、7番目の歯との間に隙間ができて歯周病となり、治療をしてもなかなか骨が戻らないというケースもあります。

 

親知らずの近くに嚢胞がある

レントゲンで親知らずの近くに嚢胞(袋状の影)が見つかった場合、放置してしまうと様々な負担やトラブルを引き起こす可能性があります。

 

 

親知らず抜歯のプロセス

親知らずの抜歯は、以下の流れで行われます。

 

診察と診断

歯科医師がX線やCTスキャンを使用して診療・検査を行い、親知らずの位置と状態を診断します。

これによって親知らずの抜歯の方法や麻酔の種類が決定されます。

 

麻酔

親知らずの抜歯の際には、局部麻酔が行われて治療部位が無痛化されます。

麻酔によって神経が麻痺しているか、歯と歯茎でチェックします。

抜歯の痛みを感じることなく安心して手術を受けることができます。

 

抜歯手術

歯科医師は適切な道具を使用して親知らずの抜歯手術を行います。

必要に応じて歯茎を切開して、状況に応じて親知らずを分割することもあります。

 

縫合とアフターケア

抜歯が終了したら、ゼラチンスポンジで止血をします。

歯茎を縫合することもあります。

ガーゼを噛んで抜歯後30分程度止血します。

抜歯後は、歯科医師からアフターケアについての説明があります。

 

 

抜歯後のアフターケアと注意点

親知らず抜歯後のアフターケアは、身体への負担を軽減し、早い回復と合併症の防止のために非常に重要です。

以下の注意点を守りましょう。

 

歯科医院での消毒

親知らずを抜歯した翌日に消毒を行います。

なぜならば、ドライソケットや感染を起こしていないかをチェックするためです。

また、歯科医院によっては、抜歯当日にうがい薬を処方せずに消毒の際に処方する医院もあります。

 

出血に注意

通常、親知らずの抜歯部位からの軽度な出血はありますが、大量の出血が続く場合は歯科医師に連絡をし、診療を受けるようにしましょう。

 

腫れと痛み

親知らずの抜歯後は軽度な腫れや痛みが生じることがあります。

アイスパックや処方された鎮痛剤を使用して対処します。

 

食事と口腔ケア

親知らずの抜歯後は柔らかい食事を摂取し、1週間程度は抜歯した歯に負担をかけないよう、抜歯した歯とは反対側で咬むようにしましょう。

指や舌で傷口に触れないよう、注意しましょう。

また、口腔ケアは病巣を清潔に保つために大切ですが、注意が必要です。

 

ドライソケット

抜歯後に血が抜歯部位に留まらない場合に、ドライソケットと呼ばれる症状が起こることがあります。

通常、抜歯後は骨が一時的に剥き出しになりますが、抜歯した穴の中に溜まった血が固まりフタのような役割を果たしてくれ、徐々に穴が塞がっていきます。

しかし、その血液のフタが何らかの理由によって剥がれてしまったりすると、強い痛みが出ることがあります。

極度の痛みや臭い、異常な口内感覚を感じる場合は早期に治療が必要ですので、かかりつけの歯医者へ連絡をし診療を受けましょう。

抜歯後の抜歯窩(歯の抜けた穴)には悪い組織が残っていることがあります。

そうした組織をきちんと取り除いて治りが悪くなったりしないようにすることを掻爬(そうは)と言いますが、掻爬しても、すぐに痛みが治る事は少なく、痛み止めを使用することになります。

 

 

親知らずはどこで抜歯するのがおすすめ?

 

口腔外科学会に所属している歯科医師

親知らずをどこで抜歯するか迷った場合には、まず「口腔外科担当医がいる歯医者」への来院予約がおすすめです。

なぜなら、1番はじめに親知らずに精通した口腔外科の歯科医師による診療を受けることで、正確な診断を受けた上で難易度に合わせた安全確実な抜歯を同じ歯医者でしてもらえる可能性が高いからです。

また、中でも「日本口腔外科学会に所属している歯科医師はいるか」も重要です。

日本口腔外科学会とは、歯科の中でも「口腔外科」を積極的に学んでいる歯科医師が所属している学会になります。

もちろん日本口腔外科学会に所属している歯科医師が、全員無条件に信用できるという意味ではありません。

しかし、担当医の親知らず抜歯の技術を見極める際には良いポイントになります。

簡単な親知らずも例外ではありませんが、難易度の高い親知らずを抜歯する際は以下のようなリスクがより一層高まります。

・唇や舌に神経麻痺が出る

・顔に内出血が出る

・口と上顎洞がつながってしまう

・多量の出血が出る

そのためリスク管理の観点から、難易度の高い親知らずは口腔外科に精通した歯科医師に抜歯してもらうのが安心です。

 

大学病院を紹介されるケースも

以下のような場合には、大学病院等の専門機関を紹介させていただくことがあります。

・心臓病や重度の糖尿病などの全身的なリスクが非常に高い患者様

・極度の歯科恐怖症で、抜歯時に全身麻酔が必要な患者様

・親知らずを抜歯する際に、神経や血管を損傷する可能性が非常に高い患者様

ただし、大学病院で抜歯することになるかは、検査をしてみないと分からないケースが多いです。

 

 

親知らずの抜歯は痛い?

親知らずの抜歯において多くの患者様が気になることは、痛みではないでしょうか?

親知らずの抜歯には手術が必要です。

手術の際には局所麻酔を使用するため、歯茎や歯の神経は麻痺し、痛みは基本的に感じません。

しかし、麻痺が切れた後は、歯や歯茎は痛みを感じるようになります。

一般的に手術後1時間経過すると、徐々に痛みを感じる患者様が多いようです。

それぞれで症状が異なるため一律に判断できませんが、痛みがなくなるまでに1週間~10日はかかると言われています。

強い痛みが生じる場合には、歯科医院で処方された鎮痛剤を服用し、できるだけ身体への負担のないよう安静に過ごしましょう。

また、抜歯後の痛みや腫れを軽減できるかは、歯科医師の経験や技術力が大きく関係します。

と言いますのも、口腔外科に精通したある程度の経験や技術力がある歯科医師であれば、より短時間で安全確実に親知らずを抜歯する方法を選択してくれるからです。

結果的に親知らずを抜歯する部位へのダメージが少なくなるので、抜歯後の痛みや腫れも軽減されます。

手術自体に不安が大きい、痛みがどうしても心配な患者様は、「静脈内鎮静法」での治療も視野に入れて、診療時に歯科医師への相談をおすすめします。

 

 

親知らずの抜歯後生活に与える影響は?

親知らずの抜歯後はしばらく痛みが続きますが、鎮痛剤で対処可能です。

また、先述でもありましたように、抜歯後24時間~36時間後に頬の腫れがピークになるケースが多く、一般的に痛みと同じように1週間~10日で落ち着く患者様が多いです。

痛みがあると抜歯した部分にできる、かさぶたのような「血餅」を舌で触れたくなるかもしませんが、取り除いてしまうと治癒が遅くなりますのでやめましょう。

 

 

親知らず抜歯のために知っておくべきこと

親知らずの抜歯は、適切な診療と技術が必要な手術です。

歯科医師の説明に従い、抜歯後の正しいアフターケアを行うことで、早い回復と健康な口腔状態を維持することができ、身体への負担も軽減されます。

親知らずを放置しておくと、虫歯や歯周病など様々な負担や悪影響を招く恐れがあるため、気になる患者様はまず歯科医院で診療してもらいましょう。

その上ですぐに抜歯するべきか、歯科医師としっかり相談することをおすすめいたします。

親知らずの抜歯に関する疑問や不安は、歯科医師と相談して解消しましょう。

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