【痛い原因と軽減方法を知ろう!】歯医者での親知らず抜歯と痛み
歯医者での親知らず抜歯は痛いのか
歯医者での親知らず(第三大臼歯)の抜歯は、多くの患者様にとって緊張感のある歯科治療で、気軽にできる歯科治療ではないかもしれません。
そもそも親知らずの抜歯が必要となるのは、親知らずの生え方や虫歯や歯周病など、お口の中で起きているトラブルが原因です。
歯茎の中で周囲の骨や歯の部分に影響(圧迫したり溶かしたり)することがあり、そういった場合は抜歯が必要なケースへと繋がります。
ただ、それほど大きな痛みではない、もしくはほとんど痛みがないケースでも、親知らずのタイプによっては痛みが強くなっていくリスクがあります。
また、虫歯や歯周病を治療せず放置していると、大きなトラブルに発展する可能性があるので、注意が必要です。
親知らずの抜歯の中でも、気になるのが親知らず抜歯後の痛みです。
今回は、歯医者での親知らず抜歯と痛みについて詳しく解説していきます。
親知らず抜歯後の痛みの原因
親知らずの抜歯後、きちんと快方へ向かっていても、どうしても痛みが生まれてしまうことは珍しいケースではありません。
親知らずを抜歯することで痛みを感じることは一般的ですが、その原因はいくつかの要因によるものです。
手術の影響
親知らずの抜歯は手術的な処置であり、歯茎の部分や周囲の組織に影響を及ぼします。
手術中には麻酔をかけるため、基本的には手術の間や手術直後には痛みは感じません。
しかし麻酔が切れたときに、傷口が痛みはじめるのです。
麻酔の効果が続く時間には個人差がありますが、おおむね3時間~4時間ほどが目安となるでしょう。
患者様によってはもっと早い時間に麻酔の効果が切れたり、もっと長い時間麻酔による感覚が麻痺したままでいるケースもあります。
体質によって麻酔の効果や痛みには個人差があるものですから、心配しすぎる必要はありません。
また、麻酔が切れた後の痛みの感じ方についても、やはり患者様それぞれに違います。
痛みをほとんど感じない患者様もいれば、傷口やその周囲に違和感や気になる痛みが長い期間続いてしまう患者様もいます。
多くの場合、親知らず抜歯処置後の痛みのピークは、麻酔が切れてから数時間のうちで、その後は時間がかかるかもしれませんが、手術当日中に少しずつ落ち着いていくでしょう。
神経への刺激
親知らずを抜歯する際に周囲の組織や神経が刺激されることで、痛みを感じるケースがあります。
抜歯部位の細菌による感染
親知らず抜歯の手術後、腫れや炎症が痛みを引き起こすケースがあります。
親知らずの抜歯部位に細菌が侵入し、感染が起きることで痛みが生じる可能性があるのです。
こういった症状をドライソケットと言います。
痛みの対処法
親知らずを抜歯するとどうしても傷口ができてしまうため、痛みを感じてしまうのは仕方のないことです。
ほとんどの患者様が、親知らず抜歯の手術から1日~2日ほどで痛みが弱くなっていきます。
多少の違和感は残っていても、痛み止め(鎮痛剤)や抗炎症薬を服用する必要がないくらいまで良くなる目安の時間と言えるでしょう。
親知らず抜歯後の痛みは、通常の治療が進んでいれば長くても1週間ほどで治まります。
一方で、患者様によっては1週間~2週間という長い期間痛みに悩まされてしまうケースもあります。
親知らずの抜歯後の痛みを軽減するための方法として、以下の対処法が役立ちます。
処方された薬の服用
歯科医院で歯科医師から処方された痛み止め(鎮痛剤)や抗炎症薬を正しく服用することで、痛みを和らげることができます。
ただし、痛み止め(鎮痛剤)や抗炎症薬を服用していても、しばらくの間、違和感や痛みを覚えるケースもあります。
抜歯部位を冷やす
親知らず抜歯後の炎症によって痛みや強い腫れがある時は、応急処置ではありますが、親知らずの抜歯部位にぬれたタオルや氷を当てることで、炎症を抑え腫れと痛みを軽減する方法があります。
氷は直接肌に触れないようにしましょう。
適切な食事
親知らずの抜歯後は柔らかい食事を摂ることが大切です。
熱い飲み物や固い食べ物は痛みを引き起こす原因に繋がり兼ねないので避けましょう。
ゆっくりと休息
炎症が起きる原因は、疲れていたり、寝不足であったり体の免疫力が低下して感染を起こしてしまうことが挙げられます。
手術後は十分な休息を取ることが痛みの解消や、症状の回復に役立ちます。
身体を休めることで痛みも軽減されるケースがあります。
注意が必要な点
親知らず抜歯後の痛みを軽減するためには、いくつかの注意点も覚えておくことが必要です。
処方薬の遵守
歯科医院で歯科医師から処方された痛み止め(鎮痛剤)や抗炎症薬を指示通りに服用しましょう。
痛みがひどいからと言って、必要以上に痛み止め(鎮痛剤)や抗炎症薬を服用するような過剰摂取は避けてください。
症状の変化
親知らず抜歯後、痛みがひどくなる、炎症による腫れや発熱などの症状が出るケースは、すぐに治療が必要な場合もありますので、放置せず早めにかかりつけの歯科医院へ連絡し、診療を受けてください。
痛みが長く続くときはドライソケットになっている可能性も
親知らずの抜歯にあたって歯茎を切開しなければいけない、親知らずが骨に埋まっているために骨を削らなければいけない、抜歯しにくい下の歯を抜かなければいけないというケースでは、痛みがなかなか引きづらい傾向にあります。
また、ドライソケットになってしまった場合、さらに長い期間痛みに悩まされるかもしれません。
先述にもありましたように、ドライソケットとは、親知らずを抜歯したところの骨がむきだしになったままでいるうちに、骨が細菌感染をしてしまう現象のことです。
通常は抜歯後の穴には血液が溜まり自然に治癒されていきますが、うまく血液が固まらず、露出している骨の表面が感染を起こすことが原因で、ドライソケットを発症してしまいます。
ドライソケットになってしまった場合、抜歯をした直後には感じなかった痛みが手術から3日~5日ほど経ってからみられるようになります。
このときの痛みは、2週間~1カ月ほど続いてしまうこともあります。
ドライソケットを発症せずそれが直接的な原因でなかったとしても、近しい症状があると2週間ほどの間、鈍痛が続いたり知覚過敏になったりすることもあります。
焦らずに、なるべく痛みを避ける行動を心掛けながら、しばらく様子をみましょう。
口腔ケアの注意
親知らず抜歯後の歯磨きやうがいなどの口腔ケアには注意が必要です。
血液を含んだ唾液を吐き出すことや、ゆっくりと歯磨きを行うことを心掛けましょう。
痛みに繋がりやすい日常の動作の中に、うがいや歯磨きがあります。
親知らずの抜歯をしてから数日間は、うがいや歯磨きをするときにもなるべく患部の刺激にならないように気をつけましょう。
強い圧がかかるうがいや硬い歯ブラシで強く歯磨きしてしまうと、血の塊を剝がしてしまう原因になるため、特に親知らずを抜歯した直後は避けるようにしてください。
炎症による腫れや痛みを悪化させてしまい兼ねません。
親知らず抜歯後は柔らかい歯ブラシで優しく歯磨きをし、炎症や痛みが改善されてきたら普通の固さの歯ブラシで歯磨きするようにします。
もし、傷口付近に食べたもののカスが挟まってしまっても、強引に取り除く必要はありません。
強いうがいをしたり、強引に綺麗な状態へ導こうとしたりすることが、さらなる痛みの原因となってしまう可能性があります。
喫煙、飲酒、運動などが痛みの引き金に
血液は液体ですがすぐに凝固を始めるため、通常のうがいや歯ブラシ程度で簡単に流れることはありません。
例えばたばこやアルコールは、血流へ影響を与えることから続く痛みや炎症による腫れを助長する可能性が考えられます。
さらに激しい運動の影響によっても痛みや炎症による腫れを感じる可能性がありますから、しばらくは刺激にならないよう控えておくとよいでしょう。
痛みと血液の関連も考えられることから、症状が落ち着くまではなるべく安静に過ごしましょう。
親知らず抜歯後の適切なケアを知ろう
歯医者で親知らず抜歯と痛みについて解説してきました。
親知らずの抜歯後の痛みは、麻酔の効果や体質によって個人差がありますが、通常数日から1週間程度で緩和されます。
基本的には歯科医師の指示どおりに必要な診療を受けていれば、痛みは徐々に治まっていき、やがて気にならなくなります。
ただし、痛みが強い、異常な症状が出るというケースは、放置せず早めの治療が必要ですので歯科医院へ連絡をし、歯科医師の診療を受けましょう。
歯科医院で、歯科医師から親知らず抜歯後に必要である適切なケアとその指導を受けることによって、親知らず抜歯後の痛みを軽減しつつ、健康な回復を促進することができることでしょう。